6年前のこの記事が、まだまだ新しく思えたので。
以下、雑誌「veggy」2008.summer vol.1より引用
---------------------------------------------------
■ “ 毛皮衰退 ” という欧州の流れ
かつて毛皮はエレガンスの代名詞でした。
しかし欧米ではすでに、これは過去のイメージと化しています。
今では毛皮=残酷のイメージがつきまとい、エレガンスどころか
下品の代名詞となりつつあります。実際ファッションをリードする
セレブリティと呼ばれる女優や富裕層たちの多くが次々に毛皮を脱ぎ、
ヴィーガン・シック・ファッションに移行しています。一見“毛皮を
着ている”ように見られるセレブリティもいるでしょう。
しかし実はそれはフェイクファーであることが多いのです。例えば
ヴィクトリア・ベッカム夫人が着ている毛皮も、全てフェイクファー
だそうです。
■大手ブランドも “ 毛皮撤退 ”
ファッション・ブランドも次々に脱毛皮宣言をしています。ヴィーガン・
デザイナーである、ステラ・マッカートニーはもとより、既に廃止している
ところに、ジョルジオ・アルマーニ、ダナ・キャラン、ラルフ・ローレン、
ジェフリー・ビーン、H&Mなどがあります。またカルバン・くらいンも
2008年春夏からの撤退を発表し、セレブリティ衣装を手がけるマーク・
バウアーは毛皮だけでなく、レザー、スエード、ウールの撤廃も発表しました。
■日本における毛皮に対しての無知
日本ではまだまだ毛皮が氾濫しています。
ほとんどの女性は毛皮が生きたまま剥がされるとは、知らないでしょう。
そして安い毛皮の多くが、実は中国産の犬や猫であることにも無知でしょう。
安いダイヤモンドを手に入れた女性が、そのダイヤのせいで、
アフリカの紛争で多くの人々が手足を切り落とされた事実を知ったら、
そのダイヤを自慢できるでしょうか。
毛皮は中国産であろうとカナダ産であろうと、
傷のない美しい毛皮を得るために、
大抵は生きたまま剥がされているのです。
そのような事実を知って、まだ毛皮を着て、自慢気に歩くことができるでしょうか。
たとえそのような残虐さに無関心な人でさえも、
もはやイギリスでは人々の反感を恐れて、毛皮を着て歩けない雰囲気が
漂いはじめています。
有名人ほどその傾向が強いのは、ファンを失うことを恐れているのでしょう。
欧米から日本を眺めると、やはり日本にはまだまだ
既存の文化を覆す力も発言権も低いようです。
先入観にとらわれず、一人一人が頭と心で考えて発言できる
欧米の開かれた社会は、やはり素晴しいと思います。
アメリカ、イギリスでのベジタリアニズムの急速な拡大は、
こうした社会背景もあるでしょう。
ファッションが欧米主導である以上、日本にも着実にこの波がやってきます。
多くの女性がビジネスのために作られた報道やブームに扇動されず、
各自の良心で考えて選択することを願っています。
(TEXT:KYOKO YAMAJI)
----------------------------------------------------